杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

小梅

本との距離

以前、距離を置いた小説のことを書いた。とんでもない一文のせいで、楽しい読書の時間が終わってしまったと。そのエッセイの続きである。 続きが読みたくてたまらないのに、気になってしかたないのに、どうしても例の一文が忘れられず、本を手にすることすら…

後悔先に立たず

私の読書の仕方は邪道だ。まず結論ありき。順に読み進めることが苦手なのだ。ジャンルを問わず、もちろん推理小説でも。 先日読み始めた文芸小説がある。結論はすでに帯に書かれていて、その過程を楽しむタイプの物語だ。とりあえず順に読み進めた。すぐにの…

夏と読書2

秋の夜長は読書に最適。と言われるが、秋まで待てずに猛暑の夏、読書がしたくなった。 今回の読書テーマはTVドラマや映画の原作本。予告編やパンフレットなどで気になった作品を数冊手に入れ、早速読み始めた。聞いたことのない現代作家の作品ばかりで、と…

誕生日

6月12日、私の誕生日は宮城県沖地震が起きた日と同じだ。毎年、誕生日の頃には避難訓練が行われ、特別番組が放送されていて、地震は誰より身近に感じていた。 3月11日、たくさんの命が失われ、日本が深い悲しみに包まれた日は妹の誕生日だった。まさか…

縁日

我が町では毎年9月になると五穀豊穣を願う縁日が随所で開かれる。各地域毎に趣向を凝らした(と言ってもどこも似たり寄ったりで派手ではない)秋祭りが行われている。 小さい頃、近くの神社からお囃子が聞こえると、楽しみでしょうがなかった。屋台の焼きそば…

映画館好き

「飛べない豚は、ただの豚だ」。映画館で初めて見た映画は、スタジオジブリの「紅の豚」だった。大きなスクリーンに大音響、迫力ある映像に心を奪われた。あの時の感動を今でも覚えている。 あれからずいぶんたった今、映画鑑賞が楽しみのひとつだ。邦画、洋…

夏と読書

暑いのが苦手な私にとって、夏は地獄である。動くことも考えることも億劫で、毎年夏の記憶がない。気づいたら9月が終わろうとしていたりする。そんな無意味な時間の過ごし方を、今年は読書で変えてみた。 「ハリー・ポッター」第1巻が日本で発売されてから…

世界大会

今月(2009年3月)、数年に1度のWorld Baseball Classic(WBC)が開かれた。決勝は史上に残る死闘の結果、前回大会優勝の日本が連覇を成し遂げ、幕を閉じた。何度も行われた対韓国、対キューバ戦。どうでもいいと思いつつ、勝敗が気になった。 今回のWBC…

Beijing Olympic (小梅)

今年の8月、中国の北京で4年に1度の世界的祭典オリンピックが行われました。始まるまでにはいろいろな問題もあり、開催自体が危ぶまれていましたが、全日程をなんとか無事に終えました。毎回、開幕するまで興味はなく、日本選手にもほとんど期待はしていませ…

古本 (小梅)

本屋が好きだ。趣味は書店巡りといってもよいかもしれない。多趣多様な本や雑誌が並んでいて、興味をそそられ、立ち読みなどをしていると、時間が過ぎるのを忘れてしまう。ただし本を頻繁に購入するわけではない。大抵一度しか読まないし、増えると処分に困…

黄色い風 (小梅)

春は花粉症の人にとって、目のかゆみ、頭痛、鼻水、くしゃみ等つらい症状に悩まされる季節。現在の日本では国民の4人に1人が花粉症といわれています。テレビでも毎日のように花粉の話題が取り上げられ、天気予報のように飛散情報が提供されています。 幸運…

ロケ地巡り (小梅)

とある休日、思いがけずドラマのロケ地巡りをしてしまいました。惜しまれながらも廃線が決定している『くりはら田園鉄道』。渡り鳥の楽園、水上スポーツも楽しめる『長沼』。この2箇所がドラマのロケ地になっていたのをご存知でしたか?前日に撮影が行われて…

タイムカプセル・2 (小梅)

前月のエッセイから、私もタイムカプセルの思い出があったことを思い出しました。小学6年の卒業間際に、学年全員で校舎の裏庭にタイムカプセルを埋めました。それから8年後の20歳の夏、その時の担任の先生からタイムカプセルを掘り起こそうと呼びかけら…

小さな訪問者 (小梅)

6月中旬のある日、我が家の物置の軒下から、可愛らしい鳴き声が聞こえてきました。見上げると、小さな鳥の巣から一生懸命に首を伸ばしてえさをねだるツバメの雛の頭が5つ見えました。 昔は3~5組のツバメ家族が我が家で巣立ちを迎えていたのですが、ここ…

7つの贈り物 (小梅)

『Good Luck』という本を知っていますか?たくさんの雑誌で紹介され、書店では特設コーナーが設置されるなど、大反響を呼んだほどですから、目にとまり、手にしたこともあるのではないでしょうか。11月にはクリスマスヴァージョン(?)としてカバーの色の違…

ある夜の出来事 (小梅)

最近まで同じ駐車場を使用していたおじさんがいました。ある日、帰りの電車の中でその方とお話をする機会がありました。いつも簡単なあいさつ程度であまり親しい間柄にはありませんでしたが、自己紹介をしてみると、偶然にもご近所さんで、お子さんと私の年…