杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

干支

 今年は年女です。何度目かはさておき、小学生の頃の思い出話をひとつ。私は小さいころ亥年であることに少なからぬ不満をもっていました。どうせなら、愛らしいイヌとかウサギとか、かっこいいウマがよかったのです。父が似つかわしくない卯年だということも、不満を増長させる一因でした。ある時、父が出張先のお土産に瀬戸物でできた干支の置物を家族銘々に買ってきてくれました。テーブルのうえに、サル、ウシ、イノシシ、そしてウサギが並んでいるのを見て私は泣き出しました。なぜお父さんは可愛いウサギで、私が(ちょっとブタに似ている)イノシシなのか、と。理不尽な不満をぶつけられた気の毒な父が、私を慰めるために言ったことは、「イノシシの赤ちゃんは、瓜坊といって、どんな動物よりも飛び切り可愛いのだ。」ということでした。当時は、何を言っているのか、と全然納得できませんでしたが、大人になった今、瓜坊はなかなか可愛く(子パンダの次くらい)、父が言ったことは間違っていなかったと思います。

(事務局 香香)