ある夜の出来事 (小梅)
最近まで同じ駐車場を使用していたおじさんがいました。ある日、帰りの電車の中でその方とお話をする機会がありました。いつも簡単なあいさつ程度であまり親しい間柄にはありませんでしたが、自己紹介をしてみると、偶然にもご近所さんで、お子さんと私の年齢も近いことから、親近感を覚えられたようでした。おじさんは電車を乗り継ぎ1時間半もかけて勤務先へ通っていること、しかし近いうち自宅に近い支店へ転勤となること、旅行で行った沖縄の心地良さ、世を騒がしていた牛肉問題、お子さんの進路について等、駅につくまでにいろいろな話題について語られていました。私はただただ聞き役に徹していただけでしたが、しきりに「息子の嫁に...」とつぶやかれるほど、気に入られてしまったようです。
おじさんの電車通勤最後の日、今までの感謝の印として焼酎をくださいました。本当は一緒に飲みに行ってもっといろいろな話をしたかったとも。
その後お会いすることはなくなりましたが、私にとって貴重なある夜の出来事でした。