杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

夏と読書

 暑いのが苦手な私にとって、夏は地獄である。動くことも考えることも億劫で、毎年夏の記憶がない。気づいたら9月が終わろうとしていたりする。そんな無意味な時間の過ごし方を、今年は読書で変えてみた。
 「ハリー・ポッター」第1巻が日本で発売されてから10年後の今年の夏、母の知り合いのご厚意により、シリーズ全作(DVD含む)をお借りした。第1巻は発売と同時に手に入れていたのだが、1、2章読んでお蔵入りしていた。
改めてシリーズ全作を前にすると、そのハードルの高さに滅入ってしまう。全7巻11冊(総ページ数6,178ページ、積み上げた高さ40センチ)+DVD5本、映画1本。普段から読書をする習慣がなく、雑誌や新聞を読み流す程度の私にとって、未知の領域である。夏が始まったころに読み始めて、1冊1週間を目安に約2カ月、夏の終わりとともに読み終わった。読んでいる間は暑さを感じなかった。休日の早朝に読むこともあったし、気づいたら朝だったこともあった。
きっと楽しかったのだ。最終の11冊目は3日で読み終わったのだが、まだ離れがたいのか、それからも全作を読み返していた。今年の夏は、名残惜しく去って行った。

   (事務局 小梅)