杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

 私の実家では父が趣味で家庭菜園をしている。その作物をねらって、猿がやってきた。母から連絡をうけて駆けつけたところ、猿は屋根の上で、枝豆の束をもって、もぐもぐ食べているところだった。時々、おしりをボリボリ掻きながら、器用に豆だけ食べて、殻は外に捨てている。追い払おうとすると、ものすごい形相で威嚇する。
 実家には道路との境のフェンスに葡萄の蔦が絡まっており、晩夏になると甘酸っぱい房が実るのだが、朝道路に葡萄の皮だけが捨ててあることがここ数年続いていた。早朝の散歩の途中に心ない人が一息ついていった形跡かといぶかしんでいたのだが、それもどうやら猿の仕業だったらしい。
 実家の庭のむこうには国有林の深い緑が広がっていて、カモシカもたまに姿を現したりする。この間も公民館の駐車場にすらりとした犬がいるなと思って見ていたら、カモシカだった。
 猿やカモシカならいいけれど、どうか熊だけは出ませんように。

 (事務局 y)