杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

のら猫

最近、家の庭に一匹の猫が来るようになりました。
見た感じは、生後数ヶ月の子猫のようです。全身真っ黒で、大きな目は金色です。
出勤時や帰宅時に、いつの間にかガレージから出てきて足下にちょこんと座って、こちらを見上げています。キャットフードをあげると一気にたいらげ、おかわりを催促します。
家族の話では昼間は近所をパトロールしてまわり、夕方になると戻って来るそうです。そして私の車の下がどうもお気に入りの寝場所になっているみたいです。
最近は空前のねこブームと言われているようで、ペットとして飼われている数は犬よりも多くなったとのことです。
ただ、その反面のら猫が毎年殺処分される数も相当なものだということです。
このような状況を救えるのも人間しかいません。
家の?のら猫を見ていると特にそう思うようになりました。
(事務局 H)

仙台弁

 仙台の人は仙台弁と言われる方言をそんなに話していないと思っていましたが、意外と話しているよね、と県外出身の方に言われてことがありました。
 私は子供の頃仙台生まれの祖母と一緒に住んでいた事もあり、仙台弁に慣れ親しんではいましたが、私自身そんなに方言を話していないと思っていましたし、話していても「いずい(いつもと違い何かしっくりこないという時などに使い、仙台の人には「いずい」と言うと細かいニュアンスを伝えなくても理解してくれるとても便利な方言)」ぐらいかな?と思っていたのです。
 しかし、よくよく考えて見ると、「なげる(ゴミや物を捨てる時に使う)、うるかす(食器等を水に浸す)、いきなり(急に、突然)、だから(同意の意味)」など意外と話している事に気づきました。
 最近は核家族化が進み周りに方言を話さない人が多くなったようですが、仙台弁には共通語には無い感情表現が出来る事もあるので、ちょっと寂しい気がしています。
(事務局 きさらぎ)

震災

また、大きな地震がおこりました。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方々に謹んでお見舞い申し上げます。
 テレビ画面にうつし出される惨状を目の当たりに言葉を失います。心安らげる日常が一日でも早く訪れるように願わずにはいられません。
 5年前に東日本大震災を体験しましたが、ありがたいことに私の周辺には被害と言えるほどのものはなく、電気や水道が止まったり、ガソリン不足に悩まされるというほんの些細な不便があっただけでした。それでも普段とは違う毎日に少なからず困惑しました。大きな被害にあわれた方のご心痛ははかり知れません。
 今なお多くの方々がたいへんな思いをされているということを心にとどめ、当たり前の日常がおくれることに感謝しないといけないとあらためて思いました。
(事務局 y)

春の雪

 雪が降ると時折、あの日の光景を思い出します。3月だというのにとても寒い日で、あの大きな揺れのあとは吹雪になりました。電気が消えて冷えた部屋で、電池式のラジオから、市内の海岸で信じられない数の遺体が打ち上がっているとの一報を耳にして、初めて事態の大きさを知りました。頭が追いつかず不安で、ただ外を眺めていました。いつも明るい町並みがだんだん真っ暗になって、雪と渋滞する車のランプだけがキラキラ光って見えました。
 東日本大震災から5年の節目ということで、テレビ等でもずいぶん多くの特集がありました。5度目の春を迎えても、悲しみが埋まることはありません。今年もまだ雪の降る寒い日が続いていますが、あれからずいぶんと成長した子供たちの姿や、前に前に向かおうとする人々の姿は芽吹きの春のように力強く、励まされました。
(事務局 K.M)