杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

未知との遭遇

 とある住宅地の一隅にある我が家は小さな山と寄り添うように建っている。市町村の境界でもあるこの山は、下は葛の蔦ばかりが隆盛だが、中腹からは様々な樹木があり鳥も多く住んでいて、春夏秋冬それなりに目に楽しい。

 しかし、自然が間近だと当然昆虫類も豊富なのが別段虫好きでもない身としては困る。なにせ引っ越してから2年半、多種多様な虫と対面してきたはずなのに、未だに月2回はパンダ柄の芋虫だのオレンジ色の胴体に黒い触角つきの毛虫だの珍妙なニューフェイスに遭遇するのだ。一体どれだけの種類がいるのやら。

 それでも棲み分けできるならいいのだが……山から何食わぬ顔でやってきては我が家の庭木を食い散らかす彼らに行き会うと、やむなく駆除剤片手に死闘を繰り広げることになる。お互い不幸なばかりなので、せめて領分は守って欲しいと思う。

(事務局 陽だまりねこ)