杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

運転手さんの名刺 (H)

 先日タクシーに乗ったときのことです。目的地近くになると、その運転手さんから「お客さん、タクシーはよく利用されますか」と聞かれました。私は「たまには乗るけど」と答えると、自分の手作りらしき名刺を私にくれました。このようなことは初めてだったので、最初「えっ」と思いました。名刺をよく見ると勤務するタクシー会社の連絡先等ではなく、その運転手さん個人の名前と携帯番号が記載されていました。運転手さんは「最近は、昔と違いタクシーを利用する人が少なくなり大変なのです」というようなことを話されていました。そこで、少しでもお客さんに利用してもらうために考えたそうです。「反応はありましたか」と聞くと、何人かの人から連絡をもらったそうです。また、「連絡をもらっても自分が行けない場合は、他の車を至急向かわせる手配もします」とも話されていました。私は他の人があまり行わないことを思いつき、努力しているこの人を見て、いつかタクシーを利用することがあったら、連絡してみようかなと思いました。ちなみにこの運転手さんは言葉づかい、態度、そして運転もとても紳士的な人でした。