杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

はじめまして

じりじりとした日光の照りつける夏の暑さも落ち着き、朝晩のひんやりと澄んだ空気がすっかり秋を感じさせますね。 日本は四季がはっきりしていて、季節によって食事や装いを変えて楽しめますし、またそういったことを大事にする文化があり、素敵な国ですよね…

未知との遭遇

とある住宅地の一隅にある我が家は小さな山と寄り添うように建っている。市町村の境界でもあるこの山は、下は葛の蔦ばかりが隆盛だが、中腹からは様々な樹木があり鳥も多く住んでいて、春夏秋冬それなりに目に楽しい。 しかし、自然が間近だと当然昆虫類も豊…

花火大会

当事務所は仙台市中心部から少し離れた静かな場所にありますが、仙台七夕の前夜祭である花火大会のメイン会場の近くなので、その日だけは事務所周辺が大変賑わいます。お昼すぎ頃から道沿いに屋台が並び、席取りの人たちが現れ始め、風流な浴衣姿などを事務…

電車の中の出来事

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先日、電車に乗った時のことでした。発車のベルが鳴ったにも拘わらず、電車が動き出す様子がありません。最後尾の車両に乗り、吊革につかまりながら何気なく窓の外を見ると、片方の手で手摺りに掴まりながら、もう片方の手で杖をついた足のご不自由な高齢の…

快挙

先日、5月23日に冒険家三浦雄一郎さんが世界最高峰エベレスト(標高8848メートル)に、史上最高齢となる80歳での登頂に成功とのニュースありました。しかも今度は3回目の登頂ということで、本当に驚きでした。 私の父も三浦雄一郎さんと同世代です…

風邪

一斉に木々の新芽が息吹き、黄緑色の若葉が眩しい季節、春物をまとって出かけてみようかと思っていた矢先、風邪をひきました。数年ぶりの風邪は思った以上にきつく、体が鉛のように重たくなりました。病名は溶連菌感染症。昔は猩紅熱といわれ、感染者は隔離…

傘寿の門出に花束を

客員弁護士である阿部純二先生が3月に傘寿を迎えられ、約7年間の弁護士生活を終えて事務所を退所されることになりました。 刑法学の第一人者として活躍された先生のご功績は、当サイト「News&topix」、「杜の四季だより」に詳しいですが、立派なご経歴の一…

2年

先日食品ストックの整理をしました。賞味期限間近の缶詰や乾麺をなんとか調理し食卓に並べてたいへんすっきりしました。震災をきっかけに買い揃えたのだが心配が先立って普段食べないようなものまであり、なんだかぐちゃぐちゃだったので使いやすいように見…

足跡

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先月、仙台としては久しぶりに大雪が降りました。 その新雪の上に小さな足跡が点々と続いていました。その足跡を辿っていくと子猫がこちらをじっと見ていました。近づくと「ニャーニャー」と鳴いて何かを訴えている感じでした。たぶん寒いし、おなかも空いて…

巳年

新年明けましておめでとうございます。新しい年が始まりました。 今年は「巳年」です。へびは脱皮をすることから「復活と再生」の意味があるそうです。気分を新たに笑顔の一年にしたいと思っています。 未曾有の大地震からまもなく2年を迎えようとしていま…

紅葉

今年の紅葉は、10年に一度の当たり年と言われているようです。確かに、毎日のように通る青葉通りのケヤキ並木も、家の周りの山の景色も例年になく色が鮮やかだったような気がします。何気ない景色がはっとするほどきれいに見えるこの一時はうれしいもので…

本との距離

以前、距離を置いた小説のことを書いた。とんでもない一文のせいで、楽しい読書の時間が終わってしまったと。そのエッセイの続きである。 続きが読みたくてたまらないのに、気になってしかたないのに、どうしても例の一文が忘れられず、本を手にすることすら…

古い女

猫も杓子もスマートフォンのご時世になった。携帯ショップにいけば一番目立つ場所に彼らが全面展開され、売れ筋ランキングもほぼ独占。ちょっと前まで花形だったはずの従来型携帯電話は、もはや隅のほうにいくつかひっそり並んでいるだけの脇役に過ぎない。 …

熱中症

高校の夏休みに、七夕まつりの出店でアルバイトをした。暑いなか懸命に大声を張り上げ・・・たかどうか覚えていないが、友人数名といっしょだったので、わいわい賑やかで楽しかった。わりといい思い出なのだが、たしか祭り2日目、わたしは突然視界が真っ白…

七夕

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もうすぐ仙台七夕祭りです。8月5日は前夜祭の花火大会、そして翌6日から8日までは仙台七夕祭りです。 毎年この季節になると、亡くなった友人のことが思い出されます。彼は不治の病でした。入院中は何度も見舞いに行き、早く良くなれよといつも言っていま…

レインシューズ

先日たまたまお気に入りの靴を履いて出かけた時に突然の雷雨に遭ってしまいました。雨ジミにならないよう直ぐに乾かしたりしたのですが、色ムラが出来てしまい靴を買ったお店や修理屋さんを廻ったところ、もとの様に戻すのは難しいと言われ、がっかりしてし…

友人との再会

ここ半年の間、10年も会うことのなかった遠方に住む友人3名と次々に再会を果たしました。なかには18年ぶりの友人も。永い間会うこともなかったのに、このように機会が訪れたのは、震災があったことも大きかったのですが、みんな少しずつ日々の生活に余…

後悔先に立たず

私の読書の仕方は邪道だ。まず結論ありき。順に読み進めることが苦手なのだ。ジャンルを問わず、もちろん推理小説でも。 先日読み始めた文芸小説がある。結論はすでに帯に書かれていて、その過程を楽しむタイプの物語だ。とりあえず順に読み進めた。すぐにの…

弥生の空に

2012年3月10日、夜の泉ヶ岳から空へ向けて花火が上がった。昨年の震災からずっと被災地支援を続けてきたボランティア団体「スコップ団」が打ち上げた、震災犠牲者への鎮魂の花火だ。 「二万人の方が亡くなった震災が一件起きたのではない。一件の悲し…

マスク女子

マスクの売り上げが伸びているらしい。 東日本大震災以降、予防の意識の高まりで売れているのだそうだけれど、巷ではすっぴん隠しや寒さ対策の為にマスクをする女の子が増えているのだとか。 確かにドラッグストアに行くとピンクや花柄の可愛らしいマスクも…

健康

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お元気ですかー。元気があれば何でも出来る。全くそのとおりだと思います。 残念なことですが、年齢を重ねると身体のあちらこちらにガタがきて、若い頃には出来たことが難しくなってきている自分に気づきます。 年齢をさかのぼることは不可能ですので、少し…

新年

新年明けましておめでとうございます。 いよいよ新しい年が始まりました。 昨年は色々な出来事がありました。3月には東日本大震災がありました。 又、個人的には全く予期しなかった事が次々と起こり、沢山の人達にお世話になった年でもありました。 これだ…

片付け

今年もあと残すところ少し、そろそろ年末の大掃除の時期です。 毎年、気になるところは山ほどあるものの、全てきれいに出来るわけもなく、見て見ぬふりをして早々に終わらせてます。 中でもクローゼットはここ数年懸念し続けながら、一切手をつけてこなかっ…

夏と読書2

秋の夜長は読書に最適。と言われるが、秋まで待てずに猛暑の夏、読書がしたくなった。 今回の読書テーマはTVドラマや映画の原作本。予告編やパンフレットなどで気になった作品を数冊手に入れ、早速読み始めた。聞いたことのない現代作家の作品ばかりで、と…

西欧

昔からヨーロッパに憧れていた。 古めかしい街並み、歴史が刻まれた石畳、威厳ある城壁、小さな市場に満載された西欧の食材、どこまでも連なる丘に広がる葡萄畑、窓を叩く雨粒、国々の間をゆったり流れていく河。 いつかひとりでふらりと訪れて、あちこち巡…

お弁当箱

黒くて巨大なお弁当箱が食器棚で場所をとっている。 夫はだいたい、わたしが3個の目覚ましと格闘しているのを笑いながら出勤していく。 けれど震災直後は徹夜続きで仕事で、食べ物を出すお店は軒並み閉まっていたので、わたしは作ったことのないお弁当と大…

あれから

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未曾有の大震災からもうすぐ5ヶ月がたとうとしています。時間の感覚がずれてしまったのか、もっとずうっと昔に起こった出来事の様な感じがしてなりません。 真っ暗闇の中の津波、あちこちから立ち上がる炎と煙、ヘリコプターの爆音、24時間絶え間なく響き…

ライラック

前回のエッセイにも書いていますが、我が家の庭には色々な花木が植えられています。 その中のひとつにライラックの木があります。今年はいつもより沢山の蕾がつき、かわいらしい白い花(我が家のは所謂ライラック色ではありません)が咲くのを楽しみにしてい…

震災

スイッチを押せば電気がつき、蛇口をひねると水が出る、当たり前に思っていたことがそうならない数日がありました。 そうなると、いままで当然のようにしていたことが、出来なかったり、したくなくなったりしました。 小さな事ですが化粧もその一つです。 水…

誕生日

6月12日、私の誕生日は宮城県沖地震が起きた日と同じだ。毎年、誕生日の頃には避難訓練が行われ、特別番組が放送されていて、地震は誰より身近に感じていた。 3月11日、たくさんの命が失われ、日本が深い悲しみに包まれた日は妹の誕生日だった。まさか…