杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

古い女

 猫も杓子もスマートフォンのご時世になった。携帯ショップにいけば一番目立つ場所に彼らが全面展開され、売れ筋ランキングもほぼ独占。ちょっと前まで花形だったはずの従来型携帯電話は、もはや隅のほうにいくつかひっそり並んでいるだけの脇役に過ぎない。

 私が使っている携帯はそれらよりもなお古く、発売されてから3年近くが経過した。でも途中で交換したバッテリーはまだ持ちが良いし、通話もメールも支障はないし、1000万画素の写真だって撮れちゃう。今のところ不都合は何もない。それに、例えばインターネットを使うにしても、スマホのような小さい画面で検索をかけたり記事をちまちま読んだりするのは目が疲れるから苦手なのだ。家のパソコンがあれば必要十分。全くもって問題はない。

 そんなわけで、やれアプリだ何だと楽しそうに盛り上がる周囲を端でこっそり眺めつつ、今や古い戦友の感すら漂う我が相棒を、そっと撫でて労る日々である。

(陽だまりねこ)