杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

縁日

 我が町では毎年9月になると五穀豊穣を願う縁日が随所で開かれる。各地域毎に趣向を凝らした(と言ってもどこも似たり寄ったりで派手ではない)秋祭りが行われている。

 小さい頃、近くの神社からお囃子が聞こえると、楽しみでしょうがなかった。屋台の焼きそばや綿菓子を食べ(この日だけは食べたいだけ食べても許された)、お面を被ったり輪投げや射的、金魚すくいをしたり(この日だけは羽目を外しても許された)。

 夜の闇の中、提灯の揺れる神社の趣も特別な演出のようだった。祭りが行われる頃にはすっかり秋めいて、子供ながらに少し寂しい気分になったものだ。

 今年も和太鼓の音と掛け声とともに、揃いの法被に鉢巻き姿の子供たちが神輿を担いで現れた。来年も再来年もこの風景は見られるだろうか。

 (事務局 小梅)