杜(MORI)のティールーム

杜の都、仙台に事務所を構える杜協同法律事務所のスタッフたちが綴るリレーエッセイ

タイムカプセル・2 (小梅)

 前月のエッセイから、私もタイムカプセルの思い出があったことを思い出しました。
小学6年の卒業間際に、学年全員で校舎の裏庭にタイムカプセルを埋めました。それから8年後の20歳の夏、その時の担任の先生からタイムカプセルを掘り起こそうと呼びかけられ、母校を訪れました。集まったのは学年全体のほぼ半分の生徒たちだけで、タイムカプセルの存在を覚えていたのはさらにその半分にも満たない人たちでした。私はタイムカプセルの存在は思い出しましたが、自分がどんなものを埋めたのかまったく思い出せず、不安と期待に揺れていました。先生が埋める作業を写真にとっていてくれたので、間もなくタイムカプセルを掘り起こすことができました。
私たちのタイムカプセルはビニール袋で包まれ、ポリ容器に入った状態でこの時を待っていたのです。その中身は未来の自分に対する手紙でした。ほかにも500円札や記念硬貨、集めていたおもちゃ等の当時の宝物がたくさん詰まっていました。しかし密閉状態が良くなかったのでしょう、手紙は濡れていて読めなくなっていたり、宝物は変色して元が何だったのか分からないものもあり、残念な結果となった人もいました。私もその中の一人で、ぐしょぐしょの手紙からかろうじて読み取れたのは、何かを相当頑張っていたということでした。当時の私はどんな気持ちでタイムカプセルに思い出を詰め込んでいたのでしょうか。
その後、久しぶりの再会を祝ってみんなで海までバーベキューに出かけました。懐かしい面々と思い出話に盛り上がり、当時に戻ったようにバカ騒ぎができる時間をくれたタイムカプセルは、「素敵な宝箱」だったのでした。